東京地方裁判所 昭和38年(ワ)9630号 判決
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〔判決理由〕原告は停止条件の成就により、訴外安田長太郎の有していた本件土地の賃借権を代物弁済により取得したけれども、その移転については未だ地主の承諾を得ていなかつたことは前認定のとおりであるから、原告の取得した権利は地主の承諾があつてはじめて確定すべき浮動的なものであり、従つて、その価値も通常の賃借権と同一に論ずることのできないのは明らかである。しかしながら、本件においては、原告が右賃借権の譲受について、地主の承諾を獲得すべき可能性があつたことは前認定のとおりであるばかりでなく、元来その承諾を求めるべき義務がある安田長太郎が被告と相謀つて、右賃借権を佐藤ちよに譲渡し(結果的には二重譲渡になる)、これについて地主の承諾を得てしまい、ことさら原告の賃借権取得を妨害したというのであるから、かかる特殊の事情の下にあつては、原告の蒙つた損害額の算定については、地主の承諾の得られた場合における賃借権の価額と同一に取扱うべきものと解するのが相当である。(下関忠義 中島恒 日比幹夫)